この記事は、正月という特別な時期に介護の現場で感じたことを、僕自身の視点でまとめたものです。
世間では正月といえば、家族が集まり、ゆっくりとした時間を過ごす期間だと思われがちだ。
けれど、介護の現場ではその空気は少し違う。
カレンダーが変わっても、生活は続き、お客さんの一日は変わらず始まる。
正月だからといって、寂しさや不安が消えるわけではない。
むしろ、普段以上にそれを強く感じる方もいる。
テレビから流れる賑やかな番組や、年始の挨拶が飛び交う空気の中で、
「今日は誰も来ないのかな」とぽつりと漏らす声を聞くこともある。
介護士にとって、正月に現場に立つことは特別なことではない。
けれど、お客さんにとっては、その「変わらず来てくれる存在」が、何よりの安心になることがある。
「今年もよろしくね」
その一言を交わすだけで、表情が少し和らぐ瞬間がある。
正月だから何か特別なことをしなければいけない、というわけではない。
豪華な料理も、派手な演出もなくていい。
いつも通りの声かけ、いつも通りの距離感。
その“いつも通り”が、お客さんにとっては大きな支えになる。
介護の仕事は、目立つ成果が分かりにくい。
正月に働いていても、「ありがとう」と言われる場面は多くないかもしれない。
それでも、誰かの生活が止まらずに続いていること自体が、この仕事の意味だと思っている。
正月でも、介護士に休みはない。
けれどその分、誰かの孤独や不安に寄り添える時間がある。
僕はこれからも、特別な日こそ、特別なことをせず、
ただ静かに、目の前のお客さんと向き合っていきたい。
同じように介護の現場で働く方や、家族として支える立場の方にとって、
この正月の風景が少しでも共感や安心につながれば嬉しい。


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