この記事は、独居の高齢者と関わる中で、介護の現場で僕自身が感じている考え方をまとめたものです。
介護の仕事をしていて、僕が強く感じていることがある。
それは、独居の高齢者が何よりも「話をすること」を必要としている、ということだ。
食事や入浴、掃除といった生活支援はもちろん大切だ。
けれど、それらがきちんと行われていても、どこか満たされていない表情をしている方がいる。
その理由を考えたとき、僕は「会話の不足」に行き着いた。
独居の高齢者は、一日の中で誰とも言葉を交わさない時間がとても長い。
テレビの音は流れていても、それは自分に向けられた声ではない。
質問をされることも、気持ちを聞いてもらう機会も少ない。
そうした日々が続くことで、「話すこと」そのものが、特別な意味を持つようになる。
介護に入ったとき、
「今日はどうでしたか?」
「寒くなってきましたね」
そんな何気ない一言に、表情がふっと和らぐ瞬間がある。
用事がなくても話しかけられること、自分の存在を認識してもらえることが、その人の一日を大きく支えているように感じる。
時には、同じ話を何度も聞くこともある。
効率だけを考えれば、先を急ぎたくなることも正直ある。
それでも、「聞いてもらえる」という体験そのものが、その人にとって大切な時間なのだと思う。
介護は、何かをしてあげることだけではない。
「話を聞く」「声を交わす」という、ごく当たり前の関わりが、独居高齢者にとっては何よりのケアになることがある。
同じように介護に関わる方や、家族として支える立場の方にとって、この考え方が何か一つでも参考になれば嬉しい。


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